ゆめまぼろしのごとくなり

平素より通いし殿設置店へ赴くも殿のお姿あらず、巨大亀と西部風賞金稼ぎが鎮座す。
途方にくれし時、大盤振舞祭との告知を聞き、八代将軍へ奉公す。
障子の奥より高確率なる文字たびたび浮かび、海苔を頂戴つかまつるも
吉宗公の年貢取立て厳しく、金参萬弐千両搾取された次第。


店移動し殿の存命を確認す。
本日の殿は士気高く、七揃いし後、縁側にて頻繁に立ち上がりなさる。
一頻り黒鳥を愛で髭弄りなさった後、家臣呼び寄せ出陣と申される。
出陣するも、光 ただ左から右へと流れ、兵の士気下がり退却す。
隣国より「まんなっか!まんなっか!」なる奇声が響き渡るも、
我が殿の軍は出陣と退却を繰り返しなさる。
合戦に負けること二十一連敗。合戦の数だけであれば隣国をも上回る。
されど我が頭上に千両箱見当たらず。
二十二回目の合戦で徳川家康と合戦す。八代将軍に貢いだ甲斐なのであろうか。
野望の刻来たるも、軍配十回揃いて終了す。徳川への怨念ここに深まれり。
合戦に疲れなさった殿はその後、縁側にて胡坐かき、鳥と魚の観賞に勤しまれる。
故、国力弱まり年貢取立て一層厳しけり。金五萬両を御納め致し、我の精根尽き果てり。